Johnny Bristol / Love No Longer Has A Hold On Me - 洗練と多幸感が交差する、80sモダンDiscoの極上メロディ

Johnny Bristol / Love No Longer Has A Hold On Me

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洗練と多幸感が交差する、80sモダンDiscoの極上メロディ。Motown黄金期を裏側から支えてきた名プロデューサーJohnny Bristolが、シンガーとしての円熟味を存分に発揮した名曲が、このLove No Longer Has A Hold On Me です。Marvin GayeやDiana Ross、Gladys Knight & the PipsといったSoul Music史に名を刻むアーティスト達を支えてきたJohnny Bristolですが、70年代中盤に自身も表舞台へと躍り出ると、その洗練されたメロディセンスはシンガーとしてもイッキに花開きました。今回レコメンドする Love No Longer Has A Hold On Me は、そんなJohnny Bristolが80年代初頭の空気感を見事に取り込んだ都会派Discoの傑作です。


イントロから溢れ出す都会的な多幸感

パーカッションが軽快に打ち鳴らされるイントロから、すでにフロアの空気を一変させるような高揚感がありますね。タイトな4つ打ちビートに、艶やかなストリングス、華やかなブラスセクションが重なり、そこへJohnny Bristolのシルキーでダンディなヴォーカルが滑り込む瞬間がとにかく最高っ!音のひとつひとつはDiscoらしく華やかなのですが、決してハデになりすぎず、全体には大人っぽい余裕が漂っている。70年代Discoのゴージャスな感覚を残しながらも、よりタイトで洗練された80年代のサウンドへと移り変わっていく、その絶妙な境目がこの曲には刻まれています。まさに「洗練された大人のDisco」という表現が似合う1曲ですね。


切なさまでメロディに変えるJohnny Bristolの歌

特に素晴らしいのはフックのパート…高らかに歌い上げられる「Love No Longer Has A Hold On Me〜♪」というフレーズは、キャッチーでありながらドコか切なく、聴き手の感情をイッキに引き込んできます。リリック自体は「もう恋に縛られてはいない」という内容でありながら、完全に吹っ切れているワケではない絶妙な感情の揺らぎがカンジられ、そのホロ苦さが楽曲に深みを与えています。明るいリズムと華やかなアレンジの上で、少しだけ影を残したヴォーカルが響く…このコントラストが実にイイんですよね。単純に「楽しいDisco」で終わらず、踊りながらもしっかりSoulをカンジさせてくれるトコロに、Johnny Bristolというシンガーの円熟味が表れています。


名プロデューサーだからこそ作れるドラマティックな展開

また、この曲がDJ達から絶大な支持を集めた理由のひとつが、そのドラマティックな展開力です。中盤に差し込まれるエフェクトを効かせたドラムブレイクは、それまで流れていた華やかなメロディを一度リセットし、ダンスフロアに抜群のインパクトを与えています。そしてブレイクを経て再びメロディとヴォーカルが戻ってきた瞬間、曲の持つ多幸感がさらに大きくカンジられるっ!シンプルに踊らせるだけではなく、一度引いてから再び開放するコトでフロアの感情までコントロールしていく。この構成力こそJohnny Bristolらしい職人的センスでしょう。長年プロデューサーとして積み重ねてきた「どうすれば曲が最も魅力的に響くのか」という経験が、この1曲に凝縮されています。


6:56のExtended Versionで味わう12インチの醍醐味

そしてUS盤12インチシングルには6:56にまで拡張されたExtended Versionを収録っ!この長さには単純に曲を引き延ばしただけではナイ、12インチならではの楽しさがあります。イントロからグルーヴへゆっくり入り込み、中盤のブレイクを経て、後半へ向かうにつれて少しずつ熱量が高まっていく。その時間の流れそのものを楽しめる構成になっており、ロングミックスならではの高揚感を存分に堪能できます。DJにとってはミックスの自由度が高く、リスナーにとってはアルバムや短いシングル・バージョンとは違う、より深く楽曲へ入り込める体験となる。こういうExtended Versionを聴くと、なぜ当時のDance Musicに12インチというフォーマットが必要だったのか、その理由がよく分かりますね。


Discoの終焉ではなく次の時代への進化

80s初頭はDiscoブーム終焉後とも言われた時代ですが、音楽そのものが消えてしまったワケではありません。むしろ巨大なDiscoブームが落ち着いたコトで、そのグルーヴやアレンジはModern SoulやBoogieと結びつき、より洗練されたクラブミュージックへと成熟していった時期でもありました。Love No Longer Has A Hold On Meには、まさにそんな時代特有の都会的な余裕とポジティブなエネルギーが詰まっています。70年代的なストリングスやブラスの華やかさと、80年代へ向かうタイトなリズム感。その両方が共存しているからこそ、Disco好きはもちろん、Boogie〜Modern Disco好きまで思わず反応してしまうのでしょうね。


針を落とせば蘇る80年代のネオンと熱気

複雑なサウンドが溢れる現代だからこそ、Johnny Bristolが描いたこの極上のメロディと真っ直ぐな高揚感は、より深く心に響くのかもしれません。奇抜な仕掛けで驚かせるワケでもなく、強烈なビートだけで押し切るワケでもナイ。イイ曲、イイ歌、そして踊れるグルーヴというシンプルな要素を、長年の経験によって最高のバランスへまとめ上げている。だからこそ40年以上が経過しても古びるコトなく、DJがプレイすれば今でも自然にフロアへ馴染んでいくのでしょう。特に6:56のExtended Versionを12インチでジックリ聴けば、その豊かなストリングス、弾むベース、そしてJohnny Bristolの艶やかな歌声がより立体的に広がってくる。針を落とした瞬間、80年代の都会のネオンとダンスフロアの熱気が鮮やかに蘇る、そんな素晴らしい1枚です。

 

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